時代の流れに乗ってWeb系の職業にジョブチェンジしたい…!Web系の職種といえば「Webデザイナー」や「プログラマー」が代表的だって話は聞くけど、ぶっちゃけどっちの方がオススメなんだろう?
近年働き方としてテレワークが主流となってから、場所に捉われずに仕事ができる「Web系の職業」が注目されるようになりました。
特にWebデザイナーとプログラマーは人気があり、多くの企業がデザインスクールやエンジニアスクールを展開しているため、どちらの職業も目指す人が多い印象です。
そんな中これからWeb系職業への転職を考えている方、もしくは副業でトライしようと考えている方の中には、デザイナーとプログラマーのどちらを目指せばいいのか分からず悩んでいる。という方も多いはず。
そこでこの記事では、現役でデザイナー業務とエンジニア業務の両方を行なっている筆者の僕が、2つの職業についての違いや結論どちらがオススメなのかを具体的に解説させていただきます!
ちなみにこの記事で言う「プログラマー」は、“Web系の”プログラマーのことなので、組み込みやゲーム、通信系等のWeb以外の領域の意味合いは含んでおりません。
どっちが魅力的?Webデザイナーとプログラマーの比較表
まずは次の比較表で、Webデザイナーとプログラマーをざっくり比べてみましょう。
Webデザイナー | プログラマー | |
---|---|---|
単価・収入 | ○ | ◎ |
需要と供給 | ○ | ○ |
将来性 | △ | ◎ |
学習難易度 | ◎ | ○ |
働き方の自由度 | ◎ | ○ |
ストレスフリー | ○ | △ |
この表を見る限りだと、どっちもどっちって感じがするなぁ。これだけじゃどっちがいいか判断できないよ。
そうだね!これはあくまでも簡易的な比較表だから、これからそれぞれの仕事内容含めて、より具体的に解説していくよ!
Webデザイナーとプログラマーそれぞれの仕事内容は?
仕事内容の観点では、それぞれどんな業務を行う必要があるのでしょうか?
まずは仕事内容の違いを、それぞれ見ていきましょう!
Webデザイナーの仕事内容
Webデザイナーの仕事内容は、簡潔に言うと「クライアントの意向や心情を汲み取って、Web関連のデザインを作成する」仕事です。
Webに掲載するバナーやイラスト系のクリエイティブ作成をはじめ、Webサイトそのもののを、0から設計・デザインすることも業務内容に含まれます。
また、簡易的なWebサイトであれば、作成したデザインをもとに自らコーディングを行う場合もあります。
えっ?コーディングってプログラマーの仕事じゃないの…?
LPみたいな1枚ペラの簡易的なWebサイトであれば、Webデザイナーがそのままコーディングしちゃうことも多いんだよ。
総じてWebデザイナーは、クライアントが頭の中で思い描いている内容を具象化する仕事なので、コミュニケーション能力やヒアリング能力が肝となる仕事だと言えるでしょう。
話すのが好きだという人は、Webデザイナーが向いているのかもしれないね!
プログラマーの仕事内容
プログラマー(PG)の仕事内容は、簡潔に言うと「定義された仕様や設計に沿ってWebサイトを動的に動かしたり、目に見えないシステムを作りあげる」仕事です。
あらかじめ定義された内容に沿ってコーディングを進めていくので、デザイナーのようにコミュニケーションに重きを置いて作業を進めるというよりかは、用意されたタスクを淡々とこなしていくのがプログラマーの仕事だと言えるでしょう。
一般的にコーディング前段階の要件定義や設計などの上流工程は、システムエンジニア(SE)が担うため、対クライアントとのヒアリングが苦手な方にとってはプログラマーはオススメできる職業です。
とはいえベンチャー企業の従業員やフリーランスの場合は、要件定義・設計 〜 コーディングまでのフローを、SE兼PGとして1人が担当するケースもあるので、一概には言えないのもポイントです。
黙々とタスクをこなしていくのが好きな人や、頭の中で「こう書けば、こう動くだろう」というロジックを組み立てることが苦じゃない人は、プログラマーの素質があると言えるでしょう。
7つの項目で徹底比較!Webデザイナーとプログラマーの違いを具体的に解説
Webデザイナーとプログラマーの仕事内容が分かったところで、次は7つの項目別に、それぞれの職業の違いを具体的に解説していきます。
比較項目1:平均年収
大手転職サイトdodaによると、Webデザイナーの平均年収は「356万円」との調査結果が出ています。
全体の職業の平均よりも低いため、この金額だけ見ると目指す気が下がってしまうかもしれませんが、あくまでもこれはWebデザインの仕事のみを行う場合の金額です。
WebディレクターやWebプロデューサーにキャリアアップすることで、年収を上げていくことができます。
Webデザイナーの平均年収は356万円と、全体平均の403万円よりも47万円低く、3年間の推移を見ても350万円前後、年収分布では400万円未満の年収帯で全体の約68%を占めています。これは、年収レンジが低いというよりも、Webデザイナー職の年代構成によるものと考えられそうです。
出典:Webデザイナーの平均年収 / doda
一方で、プログラマーの平均年収は「438万円」との調査結果が出ており、Webデザイナーより高い平均年収となっていることが分かります。
プログラマーは、単純にプログラムの知識だけ知っていればいい訳ではなく、幅広い知識・知見を求められるため、企業から支払われる金額も高い傾向にあるようです。
ITエンジニアの平均年収は438万円と、全体平均の403万円よりも35万円高いです。3年間の平均年収の推移を見ても大きな変動はないことから、年収が高い職種といえるでしょう。年収分布では300万円未満から500万円未満の年収帯で全体の約70%を占めています。
出典:ITエンジニアの平均年収 / doda
比較項目2:需要
需要についてですが、IT業界特化 & 大手転職サイトで掲載されている求人数を比べてみましょう。
Webデザイナー | プログラマー | |
---|---|---|
Green ※IT特化 | 2084件 | 11975件 |
doda | 649件 | 1,120件 |
マイナビ転職 | 125件 | 427件 |
エン転職 | 42件 | 336件 |
※2022年8月15日時点
上記の求人数を見る限り、Webデザイナーよりもプログラマーの方が圧倒的に求人数が多く、需要も高いことが分かります。
また最近では、素人でも綺麗なWebサイトを作ることができる「Wix」や「SUDIO」などのノーコード系ツールの存在もあり、Webデザイナーに依頼することなくWebサイトを作る企業もしばしば。
一方でプログラマーの場合、ノーコード系ツールでは実現できない動きをコーディングで実装したり、裏側で動くシステムを開発していくことができます。
このことから求人数以外の観点でも、やはりツールで代替が効かない業務を遂行するプログラマーは、Webデザイナーよりも需要が高いということが伺えますね。
比較項目3:将来性
前提としてどちらの職業も、将来的にみて需要が全く無くなるということはまず有り得ません。
日本国内におけるITニーズは留まることを知らず、Web2.0 → Web3.0のような技術変化はあれど、Web業界が衰退していくということは考えられないのではないでしょうか。
実際に経済産業省の調査結果でも、2030年までの間に約59万人のIT人材が不足すると予測されています。
しかし前述の「比較項目2:需要」でも解説した通り、近年「デザイン作成 〜 簡易的なコーディング」までの作業が、ノーコード系ツールで代替が効くようになってきたという現実があります。
そのため比較対象をプログラマーとするならば、Webデザイナーの将来性は低いと考えられるでしょう。
一方でプログラマー側についても、ノーコードでアプリやシステムを作ることができるサービスが存在こそしていますが、学習コストが非常に高いことがネックです。
このことから、仮に開発系のノーコードツールが今後今まで以上に普及していった場合でも、素人ではなく実装知識を所有するプログラマーの存在が必要となってきます。
そのため、プログラマーの将来性は長期的に見ても高いと言えますね。
比較項目4:必要スキル
必要スキルについては、それぞれ以下の通りです。
※分野・案件に応じたプログラム言語
Webデザイナーは基本的に、PhotoshopやIllustrator、XDなどのデザインツールを使いこなすスキルが必要となってきます。
またWebデザイナーは簡易的なコーディングスキルも必要なため、HTML/CSS, JavaScriptといったスキルの有無を、応募条件として取り入れている企業も大半です。
プログラマーの場合、画面を基礎部分を構成するためのHTML/CSSをはじめ、分野や案件に応じたプログラム言語のスキルを身につける必要があります。
比較項目5:学習難易度
学習難易度は、プログラマーの方が圧倒的に高いです。
1つの言語や技術を身につけるだけでも苦労するのに、Web業界では技術の移り変わりが非常に激しいため、常に新しい技術を追い求め学習していく心構えが必要となってきます。
Webデザイナーについては、トレンドをキャッチアップするという観点ではプログラマーと同様ではあります。
しかし新たなトレンドを0から学習するというより、「Webデザイナーは既存のスキルをアップデートしていく」スタイルになるため、プログラマーよりは学習の負荷は掛かりません。
比較項目6:働き方の自由度
正社員の場合勤務する会社によって自由度は変わってしまうので、ここでは「副業やフリーランスとして働く場合の自由度」という観点で解説します。
基本的にはどちらもリモート完結で仕事を行うことができるため、自由度は同じくらい高いと言えます。
ただしどちらも基本クライアントワークのため、夜間・休日問わず連絡が入ることも。そのため今日はゆっくり休もうと意気込んでいた矢先、クライアント対応に追われ精神的に疲れてしまうなんてことも結構あったりします。
とはいえ、やはり「どこでも仕事ができる」という点は大きなメリットです。
比較項目7:ストレスを感じる場面
Webデザイナーの場合、一番にストレスを感じる場面は「モンスタークライアントとのやり取り」です。様々な無理難題を押し付けてくるモンスタークライアントには、やはり大きな精神的ストレスを感じてしまうものです。
他にはデザインの修正が幾度となく重なり、一向にプロジェクトを終わらせることができない時や、そもそもアイデアが思い浮かばず長時間手が止まってしまう場合にもストレスが溜まりがちですね。
プログラマーがストレスを感じる場面は「エラー解決までに掛かる時間」でしょうか。実は何らかの機能を実装したとして、その機能が初めから綺麗に動く可能性は結構低いんです。
多くの人が思い描くような、軽快に止まることなくキーボードを叩いて、様々な機能を実装していくプログラマーの姿は幻想そのもの。現実は度重なるエラーに頭を抱えながら、ドキュメントや参考記事を読みあさり、どうにか解決・実装していくという作業を毎日のように繰り返しています。
そして一度エラーが発生し沼にハマってしまうと、丸一日解決できずに作業が1mmも進まなかった。なんてことも以外とあるんです。何の進展もなく1日を終えた時のストレスは、中々に半端ないものです。
【結論】Webデザイナーとプログラマーはどっちがオススメ?
今回はWebデザイナーとプログラマーの違いを、様々な観点から解説しました。結論どちらの職業がオススメなのか?ということについてですが、どちらの職業も特有のメリット&デメリットが存在するため「あなたの性格や考え方によって、オススメする(目指すべき)職業が変わる」と言えます。
最後に総括として、こんな性格・考えの人は「Webデザイナー or プログラマー」を目指すべき!という内容をまとめるので、ぜひ1つの参考にしていただきつつIT業界への一歩を踏み切ってくださいね!